
会社経営の傍ら、心理カウンセリング・コンサルタント講演・コンプライアンスに基づく講義なども行っています
りゅうこころです。

「やってやりました!見事に殺しきりました!!」と達成感の笑み(のぞみ265号殺人事件)犯人の心理とは
初めにこの事件で被害に逢われ亡くなられた方に深い哀悼の意を表するとともに、怪我をされた方、その現場にて心理的恐怖を受けられた方々に心よりお見舞い申し上げます。そして二度とこの様な凄惨な事件が起きない事を願い、この記事を書かせていただきます。個人記事ですので実名表記は控えさせていただきます。

新幹線という密室の中での凄惨な事件でした。無計画な様で計画的犯行であり、それでいて殺人対象は「だれでもいい」という矛盾。逮捕時には「むしゃくしゃしたからやった。誰でもよかった」と言っていた被告が現在では「見事に殺し切りました。一生刑務所にいるのが夢だった」と言っている。そして「死刑にならないようにするために殺人は2人までにしようと思った。窓側の人を確実に殺せるよう2人掛けの通路側の席を取った」などと供述しています。
普通の精神状態ではない事は明らかながら、去年3月、長野県でホームレスをしていた時に『刑務所に入りたい』と考え、計画を立てたと明確な殺意と計画的犯行であることを述べています。
この事件で心理学的に私がポイントとして考えている点は、3点です。
・ 「むしゃくしゃしたからやった」という供述
今まで起こった無差別殺人で「むしゃくしゃしたから」というワードが出た時には犯行の前から己の人生設計がうまくいかなくなり、自己否定が著しく高まりそれが社会全体を否定するような心理状態になります。そして何かのきっかけでイライラが極度に高まって犯行に到った時に、彼らは「むしゃくしゃしてやった」と表現してきました。この点においては今回の犯人にも同じものを感じました。
・ 「死刑にならないようにするために殺人は2人までにしようと思った。窓側の人を確実に殺せるよう2人掛けの通路側の席を取った」という供述
自分が夢である『無期懲役での刑務所生活』を送るためには殺人が必要だった。しかも死刑にならない為には2人以下の殺害でなければならないと勝手に定義づけ、「無差別に誰でもよかった、窓際ならば」と犯行に及んだ。窓際の女性に凶器で襲い掛かったものの、止めに入った被害者を殺害した事で己の「人を殺す」という目的は達成され、現在は達成感しかない。恐らく「これで夢だった無期懲役での刑務所暮らしが出来る」と考えているのではないでしょうか。この『だれでもいい』という殺害動機には、既に自暴自棄の末路にいて、自分の人生を振り返り悩んだり悔んだりできない状況にあります。それ故、被告人質問での発言・移送時の全く悪びれていない姿を見て、大勢の目撃者のある中での犯行・犯行後に逃げたり隠れたりする必要がなかったのではないかと考えられます。
・ 「走行時間が長い新横浜と名古屋の間で事件を起こすことにした」と供述
言わずもがな、身勝手極まりない計画的犯行であるとしか言いようがありません。これから先の裁判であまりにも独善的で身勝手な犯行に精神障害や知的発達障害などの精神鑑定も行われるでしょうが、恐らく何の意味もないでしょう。名古屋・新横浜間の、のぞみ走行時間は約80分。ここまで考えていたのですから情状酌量の余地はないでしょう。更に犯行時の凶器を見せられて、「出所したら新しいものを購入してまた殺害するから必要ありません」と答えたようです。

「絶対的に安全安心」と言われてきた新幹線に於いて、東京オリンピックを控え飛行機の搭乗時の様な手荷物検査がこれから必要になるかもしれません。諸外国では、高速鉄道に乗る際に手荷物検査が行われている国もありますが、飛行機ほどに厳密には行っていないようです。
日常生活・勉強や仕事などで心に傷を負ってしまった人の事を一時的感情と表現します。これらの傷が自分に向いたり他人に向いたりと怒りの感情が爆発する段階を二次的感情と表現します。このような記事を書いていると自分のカウンセリングに対して反省したり、凄惨な事実を書く事で犯罪拡大防止に努める事しかできませんが、先の新幹線放火殺人(自殺)事件も含めてせめて私の目の届く範囲の人が同じ過ちを犯さぬよう、苦しまぬよう、怒りで我を忘れる様なことが無くなるよう、微力ながらこれからも努めていかなければならないと何度もこの事件の記事を読み、文章に起こしました。

りゅうこころでした。
