

会社経営の傍ら、心理カウンセリング・コンサルタント講演・コンプライアンスに基づく講義なども行っています
りゅうこころです。
今回も何かしら読んでいただけると幸いです。
「知ってほしい『PTSD』について」(心的外傷後ストレス障害)
自分ではどうにもならないような衝撃的で恐ろしい経験は、日常生活で誰にでも起こりうるものです。交通事故に遭う・暴行の犠牲者になる・悲惨な事故を目撃するなど。多くの人は時が経つにつれて、人間が本来持つ能力(忘れる)によって記憶から薄れますが、、これが心的外傷体験となり、数か月または数年にわたり影響を受ける人もいます。
これを、外傷後ストレス障害(Post-traumatic Stress Disorder: PTSD)といいます。PTSDは、トラウマとなるような外傷体験が起こった後に発症します。外傷体験とは、自分が危機的状況に陥る、生命を脅かされるような衝撃的な体験をする、または他人の死や負傷を目撃するといった体験です。この辛さは経験した人にしかわからないもので、家族や親しい友人の思わぬ怪我や、暴行による死を知ったことでPTSDが発症する場合もあります。
私がよく記事に書いている「女性の心の傷」にはこのPTSDが必ず関わっています。「悲嘆にくれる・気持ちが落ち込む・不安や罪悪感・怒りを感じる」の後に大きく分けて次の3点が起こると言われています。

【フラッシュバックと悪夢】
トラウマになった出来事を繰り返し追体験する症状で、日中に当時の体験を「フラッシュバック(追体験)」するか、または睡眠中に悪夢として現れます。どちらの症状も非常に生々しく、当時と同じ状況をまた経験しているように感じます。頭の中で記憶がよみがえり、同時に恐怖心、発汗、におい、音、苦痛など、当時の感情や肉体的な感覚を再体験することもあります。
普段の何気ない物事がフラッシュバックを誘発するきっかけとなります。例えば、雨の中で交通事故に遭った場合、雨降りがフラッシュバックを引き起こすかもしれません。
【外傷体験に関連する刺激の回避や精神的な麻痺】
外傷体験を何度も追体験するのは苦痛なので、フラッシュバックやそれに伴う感情から自分の注意をそらそうとします。そして外傷体験を思い出させるような場所や人物を避け、その体験についての話題を避けるようにします。
感情を麻痺させることで何も感じないよう努める為、人との交流を減らし引き込みる事があります。
【常に「警戒」している状態(過覚醒)】
危険がないか用心しているかのように絶えず警戒した状態で、リラックスすることができずにいます。この症状を「過覚醒」といいます。不安感が拭えず不眠に悩まされ、他の人が気付くほど神経質で短気になります。
その他身体的苦痛として筋肉痛・下痢・不整脈・頭痛・パニックや恐怖心・抑うつ気分などから過度な飲酒やオーバードーグ(薬品の過剰摂取)・希死念慮などを引き起こす場合もあります。
「人生は公平であり、おおむね安全で安心できるものだ」という実感が脅かされるような外傷体験をすると、トラウマになります。『産後うつ』も一種のPTSDだと言ってもいいでしょう。女性は命がけで子供を送り出すのですから。男性では耐えられない痛みと苦しみに何十時間も耐えるのです。ある種のトラウマになっても不思議ではありません。それではなぜ子供を2人・3人と産む事が出来るのでしょうか。それは先に書いた「忘れる」という本能が働いているからだと言われています。とはいえ忘れるにも時間は必要。脳内セロトニンがちゃんと仕事をしてくれないと物理的に抑うつ状態になってしまいます。周囲の人の温かい支えが必要です。
PTSDになってしまうと以下のような感覚になります。
・ 羞恥心や罪悪感を感じる
・ 身体の感覚が麻痺しているか、鈍いように感じる
・ 物事を楽しめない
・ 薬物の乱用や飲酒、または自傷行為によって感情をコントロールする
・ 現状との関係を遮断する(解離)
・ 精神的な苦痛が原因で身体症状が現れる
・ 感情を言葉で表現できない
・ 自殺したいと考える
・ 突発的にリスクを負うような行動に出る

中途半端に寄り添ったりしてはいけませんし、存在を否定するなどもってのほかです。もし身近にPTSDで苦しむ家族や友人がいたら、ちゃんと勉強してからい合いましょう。「わかったふり」が一番つらいのです。
治らない病ではありません。医療機関を受診し、投薬療法によって快方に向かうようにしましょう。今回は「PTSDについて(心的外傷後ストレス障害) 」を知ってほしくて紹介しました。

りゅうこころでした。
