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7665日の物語 15

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小説
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お嬢さんが連れてきたとはいえ、道場やぶりみたいなものである。

師匠が土下座されたことで正義感を持って挑んでみたはいいものの、

一切歯が立たず、門下生からどんな目で見られている事だろう。。

僕はお嬢さんよりもむしろそちらの方が気になって仕方なかった。

『押忍!!ありがとう!!』師匠は満面の笑みで僕にそう言った。

左手には竹刀、その前でひたすら腕立てをする準師範。周囲の門下生も

同じく師匠の号令で腕立て伏せをしている 『188・199・200!!はい

次腹筋200回、用意はじめ!!!その後は上段・中段・下段突き各500本、

同じく蹴り各500本!! 返事は!!!!』『押忍!!!!!』

そう!これが空手道場だ。誰を責めるでもなくみんなで苦しい思いを共有

して信頼と絆を深める。(いいなぁ、僕も輪に入れて欲しい・・・)

と思った矢先、

『押忍!!風間君、昼飯一緒にどうだい??』と師匠。

『お、お、押忍!!御相伴にあ、あづかります!!』カミカミだ。

そりゃこんなこと言われたら緊張以外なにものでもない。

だってみんな稽古しているんだもの。。。

でもホッとした。準師範がどのような指導を受けているのか、準師範として

指導する身でありながら敗北し、どれほど心が傷ついているだろう。

そして何より、あの僕と同じ空手馬鹿が何をしでかすのか不安で仕方が

なかったからだ。その不安がとけてホッとした表情を師匠は見て安心して

くれたのだろう。昼食に誘ってくれた。僕は再び師匠の敷居を跨ぐことにな

った。

『押忍!!失礼します!!』

ドタドタと走る音と共に

『茜!!さっさと髪乾かしていらっしゃい!風間さんに失礼でしょ!!』

いや・・・失礼ではないが・・でも「髪は女の命」と昔、女子から聞いた

記憶がある。濡れた髪を見せるということは女性にとって恥じらいであり、

男性に対しての嗜みなのであろう。石鹸で体と一緒に頭も洗ってしまう様な

無骨な僕にはわからない、女性の奥ゆかしさに触れた。

『この人ね、ケンタッキーが大好きなの(笑)』お母様が笑顔でお盆に

山盛りのフライドチキンを持ってきて机に置いた。呆然として立っている

僕に、『温かいうちに喰おうぜ!!、座った座った(笑)』と背中を

バチンと叩いて師匠は言った。『押忍!失礼します!』

『ウチじゃあよぅ、遠慮って言葉がゆるされないんだわ(笑)

。。。。残すなよ??(笑)』

そんなそんな、食べ盛りの僕にそんな事言っちゃう?なんて思って

内心ニヤニヤ表情ニコニコしていたら、お嬢さんが同じく山盛りの

フライドチキンを運んできた。ポニーテールを降ろし、まるで別人のよう

だ。すごく綺麗なおじょうさんじゃないか!うっすら頬に赤みをさして

恥ずかしそうにスカート姿である。赤いフレームの眼鏡を掛けている。

目が悪かったのか。。稽古の時は危ないからコンタクトレンズなんだな。

歩き方も気持ち内股で涼やかな風のような可愛い女の子だ。この子は

学校でもてるだろうな。。。

『おっ?なんだ茜、風間君がいるから女の子らしくおめかしか?抱っこ

されて惚れちまったか?普段ズボンしか着ねーのに!!こいつさぁ、

気が強いだろ?わりとベッピンな方だと思うんだけど、色恋沙汰の話が全く

なくってよ(笑)』

そりゃあ、このお父さんではそんな暇もないだろう。。。

『ち、違うもん!!お母さんが着なさいっていうから・・・』

照れて言い返す姿がまた可愛い。それはそうと目の前のチキンの山。   

結果、お盆が目の前に10枚並んだ。暴力事件でクビになるまでアルバイト

していたから、どれだけあるのかは想像できる。

(お盆枚につき恐らく20、それが10枚ということは200個。200個!!

ってことは。。鶏1羽で9パーツあるから。。鶏22羽くらいあるの?

おいおい、まじかよ。。まあでも皆で戴くんだし、門下生の皆さんの分

もあるんだろうし。。。) 『すっごいなー!!』と思わず口から出た

僕に、師匠は言った。

『おう!ケンタッキー大好きでよ!今日はあいつらにも喰わせてやろうと

思ってたんだけどな。やらかしたからナシだ(笑)』

ぇ。。。これを師匠と僕とお嬢さんとお母様で食べるのか?

残すなってお嬢さんとお母様もさぞや大食いの家族なんだろう。。

『さあ、遠慮しないで一緒に喰え!!冷めちまうぞ(笑)』

『押忍!!いただ・・・。師匠、お母様とお嬢様は・・・。』

『かみさんは鶏ダメなんだわ。それと茜もやらかしたからナシ(笑)』

『茜!!お前も稽古行ってこい!!返事は押忍だ!!』 『押忍!!』

『押忍!待ってください!』咄嗟に僕は師匠に言った。

『んーー?』師匠はモグモグ食べている。『今回の一件の発端は僕です。

僕が騒音を立て近隣準民の方々の迷惑も顧みない歪んだ正義を振りかざして

いたことに、お嬢様は腹を立たのです。ですから今回の責任は僕が一番の

悪玉なのです。ですから僕にも同じ稽古をさせてください!!』

『それはできんな。。』そう言うと師匠は指を舐めながら言った。

『いいかい?まだ入門書も何も交わしてねーんだよ。一緒にやるとは

言ったが、このケンタッキーは俺が客人として君と喰うものだ。』

僕は何も言えなかった、確かに師匠の言うとおりだ。いろいろあったが

今日来て、今日会って、師匠からしたら客人・・その通りだ。

『それでは!! 客人と師匠が仰られるということは、ある意味対等で

あると考えてよろしいですね?』 この一言は正直ビビった。

僕はまだ師匠とは立ち会っていない。世の中達人レベルになると僕なんか

赤子の様なものだ。それが『貴方が客人と言ったから』と年長者の師匠に

向かって言い返したのだ。お母様はニコニコ笑っていたが、お嬢さんが凍り

付くのを感じた。机をひっくり返されて殴られても仕方ない不作法だ。

『んー、それは一理あるな。俺が客人として誘ったわけだし』

『だったら、客人としてお願いがあります。僕はみんなと一緒に戴きたいの

です!!それをお許しいただけないのでしたら手を付けずに失礼します!』

流石に言い過ぎた。師匠から溶岩の様な凄まじい圧を感じた。。

師匠が立ち上がろうとしたその時、お嬢さんが僕の前に土下座した。

『先輩!!先程はあのような醜態の中、それを誰にも気取られぬように

ご配慮いただき、誠にありがとうございました。お礼を言うべきところ、

私の中の恥ずかしいという気持ちが勝ってしまい、失礼な事を言いました。

遅くなりましたが、感謝しております。ありがとうございました。押忍!』

見事な一礼、見事な口上だった。その言葉に一片の曇りもなかった。

『やっと言いやがったか、このバカ娘! 勘違いするな、皆の所に持って

行ってやろうと思っただけだ。ほら、お前も手伝え!!』

嘘だ。すごい殺気だった。大変な事になる。。と身構えたほどだ。。

『ところでお前よう、慣れねぇもん着るからパンツ丸見えだぞ?(笑)』

この師匠の言葉に『ええっ!!もうっ!!信じられない!!!バカ!!!』

と言い残してお嬢さんは再びドタドタと階段を昇って行った。

ひとまず窮地は逃れたが・・お嬢さん居なくなったし気まずい・・・

そんな時、玄関方角から『押忍!!失礼します!!』と元気のいい声が

聞こえた。

『 大変な勉強ともサヨナラ!!心理学に基づいたこの考え方 をマスターすれば、学校の成績 も確実に UP する ! その考え方とは』 のこたえ!!!|りゅうこころ ryukokoro|note
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