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7665日の物語 17

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小説
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先ずは準師範の最も得意としているであろう廻し蹴りを少し強めに受け流

した。その勢いでくるんと回って背中を見せた時に鞭打。『ヒィィ!!』

と声を上げた、かなり痛いはずだ。この鞭打を習得するのに僕だって相当

稽古した。筋肉の鎧に呼吸という合わせ技で受けを攻撃とする剛柔。それが

最大限の脱力を持って鞭の様にしならせて叩くのだ。どうしても力に頼って

しまい、最初の内はパチンと音がしなかった。ボスッとかゴスッとか。勿論

サンドバック相手に練習するのだが、力を抜きすぎると自分の関節が逆に

折れそうになる。鞭なんていうと想像しにくいと思うので、誰しも一度は

やったことがあるであろう、縄跳びを想像してほしい。冬の寒い時に外で

飛んでいて、勢いの付いた縄がパチンと当たった時の悶絶。。思い出すだけ

で痛い。僕が学校で縄跳びをしていた頃はジャージを履くなんてことは許さ

れなかった時代だった。男子は短パン、女子はブルマだった。みんな脚に

ミミズばれを作っていた。あの感じで背中とか内ももとか二の腕とか、

表面を鍛える事が難しい=叩かれるとどうしようもなく痛い部分を叩かれる

のである。大の男でも「ヒィィ!!」と声がでる。背中に手をまわして

「痛ったたたたた!!!!!」と大騒ぎだ。周りのみんなは笑っているが、

その痛みを知っている僕は笑えない。当然叩いているこちらも痛いのだ。

硬く拳を握れたらどんなに楽だろう。でもそれではゴツ!になってしまう。

骨を砕いてしまうかもしれない。ケガをさせずに最大限の痛みを与える。

それがパチンなのだ。僕はその後も狙って続けた。内もも、裏ふくらはぎ、

二の腕、背中。。。準師範は転げまわって痛がった。

目にうっすら涙を蓄えながら僕に叫んだ。『テメエ舐めてんのか!!』

とんでもない、舐めてなんかいない。その証拠にこちらの手も真っ青だ。

『痛みっていうのはよぅ・・・』師匠が口を開いた。

『心でも身体でもよぅ。。味わってみねーとわかんねんーんだわ。その鞭打

はな、高度な技術でよぅ。使い方間違えるとショック死しちまうことだって

ある。そこを使い分けるってなぁ(笑)しかもケガさせない様によ。。。

今のお前じゃあ、逆立ちしたって敵わねーさ。 まずココの強さが違う。』

そう言うと師匠は自分の胸を指さした。そして続けた。

『加藤、おめー今日から準師範じゃなくて師範やれ。今日の痛みと悔しさ

忘れるな! 茜!おめーは道場で俺の影をちらつかせるんじゃねーよ。

未熟者が! 風間君、稽古に励みたまえ。』

『押忍!ありがとうございます!』三人息の合った返事だった。

『押忍!師匠失礼します、自分夕刊の配達準備がありますのでこれでご無礼

致します。また明日からよろしくお願いします!』『おう!よろしく!!』

そう言って60度に頭を下げ、僕はダッシュした。嬉しくて仕方なかった。

「何だか家族が出来たみたいだ!」そんな喜びに震えながら新聞店に着くと

店長が驚いた顔で言った。『おい龍二!おめーどこでケンカしてきた?!』

唐突な言葉にこちらも驚いた。『いえ、ケンカなんかしてないですよ!』

『じゃあなんで上半身ハダカでそんな真っ青な手してんだ?』 あ。。。

喜び勇んで出たはいいが、上着はお嬢さんを包み、ズボンは空手着のまま、

そして着て行った洋服は道場に忘れ、、、単車は、、公園だ。。

「まあ、しゃあない!全部なんとかなるだろう!」僕は新聞店のジャンパー

を羽織り、夕刊の散らし折込と配達に勤しんだ。浮かれすぎて、洋服も単車

も、今はどうでもよかった。仲間が・家族ができた!それだけでよかった。

新聞店のジャンパーのまま施設に帰りシャワーを浴びると、凄まじい痛みに

襲われた。「まだまだ未熟だな。もっと稽古しなきゃいけないや。」僕は

マゾヒストではないが、この痛みは嫌いではない。恐らく加藤さんも今頃は

ギャーギャー言いながらお風呂に入っている事だろう。そう考えるとニヤニヤ

してしまう。正当な勝負だったしお互い本気でやり合った。久し振りの

満足感だ。もし僕が負けていたとしても満足だったであろうとおもう。

いや。。違うな。負けて満足なんて無いな(笑)なんて考えられるのも

今回の公園での出会いがあったからだ。そんな事を考えていると何だか

まるで心臓を掴まれているかのような感じがした。暴れすぎたかな。。

その日の夜は興奮してなかなか眠つけなかったのを覚えている。

翌朝いつもの様に午前三時には新聞店に行き、広告の折り込みをしていた。

朝刊配達の後に新聞店でいつもの様に朝食を食べ(店主のご厚意で朝ごはん

は従業員みんなが戴けた)学校に行った。こちらもいつもの通り爆睡だ。

僕は学校のテストで困ったことがない。教科書は先輩のお古を貰っている。

同級生の話を聞いていると、「ヤマが外れた!」とか「昨日徹夜でテスト

勉強したー」なんて聞くが、僕にはその経験がない。

復習型ではなく、予習型なのだ。だから授業中居眠りしていてふいに

先生に起こされても、どこの何を聞かれていのかの場所さえわかれば

答えられた。加えてテストの点数も悪くないし、同級生がわからないと

言えば教えてあげていた。自然と居眠りしていても当てられることは

少なくなった。自慢ではない。復習より予習の方が僕は効率がいいと思って

いるだけだ。この勉強法で東大いきました!なんて大層なものではない。

県立高校の普通科レベルでの話である。

授業が終わると今までは隠してある単車にまたがって「今日はどこを粛正

しようか?」なんて馬鹿な事を言いながら爆音立てて走っていたが、

今日はもう違う。そもそも単車は公園に置きっぱなしだろうし、僕には

行くべきところが出来たのだ。道場である。幸いな事に夕刊の配達がある

のは火曜・木曜・土曜。道場があるのは月曜・水曜・金曜だ。今日は金曜。

後から聞いた話だが、フライドチキンの日は木曜日と決まっているらしい。

29(にく)の日だというのは僕の思い込みだった。その日は稽古を兼ねて

「みんなでケンタッキーを食べるぞー」と集合が掛かるのだそうだ。

次回は僕も呼んで貰える様に、加藤さんと茜さんとは仲直りしておこう。

それはそうと、(昨日茜さんにやられたアイツ、その後どうなったのかな)

何て一瞬よぎったが、(ま、いっか!)で終わってしまった。何より今は

道場に行くことしか頭にない。うぉぉぉーーっとダッシュで道場まで行き

『押忍!!』と引き戸を開けようとしたが開かない。早すぎたか?

稽古する事しか頭にない僕は『押忍!しつれいします!!』と師匠の家の

ピンポンを連打した。返事がない。。誰もいないのか?師匠はお仕事で

いらっしゃらないとしても、奥様は?あー、そういえば昼間は近所の

スーパーでレジのパートさんとして働いていらっしゃるんだった!!!!

「ま、いっか。ランニングしてこよう!」とシューズの紐を締め直して

いたら、靴の紐がブチッと切れた。昔からこういう事で「不吉な」とか

思わないタイプだ。あのブルーシートの向こう側に合った景色に比べたら

不吉なんてどうってことない。

『 大変な勉強ともサヨナラ!!心理学に基づいたこの考え方 をマスターすれば、学校の成績 も確実に UP する ! その考え方とは』 のこたえ!!!|りゅうこころ ryukokoro|note
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